―Destiny―


「あ……、ごめん、奏汰……」



真っ白なシャツに点々と飛び散ったオレンジジュース。

あたしがバツが悪そうに謝ると、奏汰は怒る様子もなく笑った。



「着替えてくるから、待ってて」



奏汰はリビングにオレンジジュースを運ぶと、「ここで待ってて」とソファにあたしを座らせた。



「あれっ? 奏汰は?」



それからすぐ、奏汰と入れ違うように、奏汰のお母さんがリビングにやって来た。


あたしはまた緊張に包まれ、しどろもどろになりながらも奏汰がここにいない理由を話す。



「……ったく、あいつもドジだねぇ」



< 119 / 328 >

この作品をシェア

pagetop