―Destiny―


ハハハと大きな声で笑いながら、お母さんはあたしの隣にドカッと勢いよく座った。



うわぁ……、お母さんと二人きりだよ。

緊張しすぎて、喉がカラカラ……。

奏汰、早く戻ってこないかな。



目の前に置いてあったジュースを、一気飲みする。

空になったグラスをテーブルに置いたあと、あたしは意味もなくリビング中を見渡した。



――……あれ……?


出窓のすぐ前に置かれた小さなテーブルで、あたしの視線はピタリと止まる。



テーブルの上に置かれていたのは、写真と位牌と線香たて。

写真に写っている人が故人であることはすぐに分かった。


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