―Destiny―
少し違うのは……。
お父さんとお母さんの間にいるのが永輝さんじゃなくて。
柚羽ちゃんというお母さんの親友であること。
「おまたせ!」
写真を手に取ったまま呆然としていると、着替えを終えた奏汰が戻ってきた。
「柚ー?」
「……柚ちゃん?」
写真を持ったまま身動きひとつしないあたしに、お母さんと奏汰が声をかける。
お父さんとお母さんが奏汰に初めて会ったとき……。
あんなに動揺していたのは、奏汰が永輝さんにソックリだったから。
そして、お父さんたちが永輝さんという人と関わりがあったからなんだ。