―Destiny―


少し違うのは……。

お父さんとお母さんの間にいるのが永輝さんじゃなくて。

柚羽ちゃんというお母さんの親友であること。



「おまたせ!」



写真を手に取ったまま呆然としていると、着替えを終えた奏汰が戻ってきた。



「柚ー?」
「……柚ちゃん?」



写真を持ったまま身動きひとつしないあたしに、お母さんと奏汰が声をかける。



お父さんとお母さんが奏汰に初めて会ったとき……。

あんなに動揺していたのは、奏汰が永輝さんにソックリだったから。


そして、お父さんたちが永輝さんという人と関わりがあったからなんだ。


< 124 / 328 >

この作品をシェア

pagetop