―Destiny―


「これと同じ写真、うちにもあるからビックリしちゃって」


「同じ写真?」


「あぁ、でも、永輝さんは写っていないの。お母さんの親友の柚羽ちゃんが……」


「柚羽?」



柚羽ちゃんの名前に反応したのは、奏汰のお母さんだった。

お母さんはひどく驚いた顔で、あたしを見ていた。



「柚羽って……、もしかして……」



そう呟きながら、お母さんは、写真の隣にあった小さな箱を手に取る。

箱の中には、ペアの指輪がきれいに納められていた。


そのうちの、ひとつの指輪を取り出すと、お母さんは無言であたしに渡した。


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