―Destiny―
「あ、ねぇ、奏汰。奏汰の部屋、見てみたいな」
しんと静まり返ったリビング。
あたしは話をそらすようにして、奏汰に言った。
奏汰も我に返り、
「あぁ、そうだな。おいで」
あたしの手を取って、自分の部屋へと連れて行った。
奏汰の部屋は、とても殺風景だった。
あたしと同じくらいの広さの部屋には、ベッドとテーブル、そして大学の教科書が立ち並ぶ本棚しかない。
「すごい……、シンプルな部屋だね」
あまりにもガランとしていて、呆気に取られているあたし。