―Destiny―


「……たとえばさ、あたしと奏汰の仲を引き裂く人が現れたとして」


「えっ、なによ、急に……」



嫌なたとえ話を切り出してきたあたしを見て、真菜は眉をひそめた。



「その人のせいで、あたしと奏汰が死んじゃったとするよ?」


「柚? なんなのよ、そのたとえは!」



どんどん暗い方向に進む話に、真菜は怒り口調で声を上げる。

あたしは気にも留めずに、話を進めた。



「でね、何年か経って、その人の身内と真菜の子供が出会って、恋に落ちたらどうする?」


「えらい話が飛んだわねー」



ブツブツと文句を言いながらも、真菜は少し考える。


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