―Destiny―
「……あっ……、そういえば先生。お昼の【来来軒】を知ってるって言ってたけど、ひょっとして常連とか?」
ふと、槙村先生がさっき言った言葉を思い出した。
先生が常連仲間の一人かもしれないと、期待を込めて聞いてみる。
もしも先生が常連だったら……。
何とか説得すればお昼の【来来軒】行きを考え直してくれるかもしれない。
「残念ながら常連じゃないぞ。たまに行く程度」
「じゃあさ、おばちゃんや大将と仲が良い?」
「……いや、全然。話したこともないし」
あっさりと言いのけた先生に聞こえないように、あたしは小さく舌打ちした。