―Destiny―


「あたしのお父さんとお母さん、永輝さんと同じコンビニでバイトしていたでしょう?」


「……うん」


「永輝さんが好きだった人……、お母さんの親友だったんだ」



何か関係していることは分かっていたけれど……。


柚羽さんが、柚のお母さんの親友だったことは聞かされていなかった。



柚の口から次々と語られる、もう一つの苦悩――。

それは、大切な親友を失った、柚のお母さんが長年抱えてきた痛みだった。



柚はすべてを聞かされたようで。

叔父さんと柚羽さんを引き裂いた張本人が、遼ちゃんの妻となったかんなさんであることも知ってしまった。



「俺とはもう会うなって?」


「――うん……」


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