―Destiny―


遼ちゃんと結婚したことで、俺の身内になったかんなさん。

そのことを知った柚のお母さんは、俺と会うなと柚に懇願したらしい。



柚は今にも泣き出しそうな顔をして、少しだけ俯いた。



「……柚」



俯いた柚の小さな顔を両手で包み込み、俺の方へと向けさせる。



「柚はどうする?」


「どうするって……。あたしは奏汰と一緒にいたい」


「…………」



それは俺も同じだよ。


だけど……。


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