―Destiny―


そして……。

村岡が、永輝さんの甥でもある奏汰くんと付き合い始めたことを知って。


もしもこれが運命だというのなら……。

永輝さんと柚羽さんのときのように、誰も村岡たちの仲を引き裂かないで欲しい。


そう願ったんだ……――。



『もしかしたら、諒子さんが柚ちゃんに昔のことを話すかもしれない』


『……たぶん……話すでしょうね』



柚羽さんという大切な親友を失った諒子さんの傷は、計り知れないものがあると思う。


だけど……――。

母親が、自分が経験した過去のことを理由に、娘の幸せを壊すものなのか?


僕は、そう信じたかったんだ……。



< 184 / 328 >

この作品をシェア

pagetop