―Destiny―


諒子さんは、村岡にすべてを話したんだ。


どうして……。


諒子さんがかんなさんを許せない気持ちは分かる。

けれど、それは村岡たちには関係のないことじゃないのか?



「かんなさんのことも知っているし、奏汰くんの叔父さんのことも知っているよ」


「そっか。それなら話は早い」



村岡は悲しそうな瞳をしているくせに、無理して笑った。



「奏汰の叔父さん……永輝さん。永輝さんが好きだった人、あたしのお母さんの親友だったんだ」


「……うん、知っている」


「えっ……? 知っていたの……?」



無理して笑っていた村岡が、ひどく驚いた表情で僕を見た。


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