―Destiny―


そんな奏汰を見ていると、俺はあの頃の永輝くんを思い出す。


かんなから柚羽さんを守るために、柚羽さんと別れた永輝くん。

抜け殻のようになった永輝くんと全く同じ。


笑っているけれど、心から笑っていない。

行動や感情を事前にプログラミングされたロボット、そのものだった。



「かんなさんはその後、どうですか? その……、諒子さんと会ってから……」



気まずそうにかんなの様子を訊く晶に、俺はほんの少しだけ笑みを浮かべて返す。



「かんなも、いつもと変わりないよ」


「……相変わらずですね」


「えっ?」


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