―Destiny―
――……諒子さん。
あなたも親なら、娘の幸せを願うのが普通だってこと、分かっているはずだ。
犯罪者という名を背負い、諒子さんの親友を追い詰めた挙句、死に至らせてしまったかんな。
――かんなさんと関わりたくないから……。
それを選ぶのは、諒子さんじゃない。
柚ちゃん本人なんだ。
「――なんの用?」
家を訪ねて来た俺を、諒子さんは怪訝そうに見つめていた。
通されたリビングは、しんと静まり返っている。