―Destiny―
「――関係ないよ。あたしは奏汰と一緒にいたい。それが事実だから」
「………柚……」
抱きしめていた奏汰の背中から、そっと腕をはなす。
奏汰は振り返りもせずに、ただ、その場に突っ立っているだけ。
「じゃあね、奏汰」
とりあえず、今日は帰ろう。
そしてまた、奏汰に会いに来よう。
昔のことなんか考えず……。
今のあたしたちのことについて、奏汰が自分の気持ちを言ってくれるまで、あたしはあきらめたりしないよ。