―Destiny―


ツリーの飾りを手直ししているあたしのそばで、お母さんは真菜に電話をかけた。


携帯の利用料が上がった理由。

それが真菜であるのか、確認するために。



「あ、そうなの。……分かったわ、ありがとう」



……真菜、ごめんね。



深い理由は話さなかったけれど。

奏汰との付き合いを反対されたと言ったあたしに、真菜は「いつでも協力するから」と笑ってくれた。



だけど、真菜が協力を重ねるたびに、あたしの胸はズキンと痛むんだ。



「柚。話なら、携帯じゃなくて学校でしなさい」



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