―Destiny―


電話を切ったあと、お母さんは呟くようにして言った。



「……お母さん」


「なに?」



ツリーに適当に散りばめられた綿雪に触れながら、あたしは言った。



「奏汰に会ってくれないかな」


「……悪いけど、会う気はないわ」


「奏汰になんの落ち度があるの? 柚羽ちゃんたちのこと、あたしたちには何の関係もないじゃない」



お母さんを見据えて、はっきりと言い放ったあたし。

お母さんの表情が次第に険しくなっていく。



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