―Destiny―


「そっか……、会う気なしか。当然だよな」



放課後。

学校が終わると、あたしは【来来軒】の裏口に急いで行く。

奏汰はバイトが休みの日でも、【来来軒】の裏口であたしを待っていてくれた。



「それなら、家に直接出向くしかないな」



吸っていたタバコを、空になったコーヒーの缶のなかにねじ込みながら奏汰が言う。



「きっと、追い返されるよ」



諦めにも似た溜息を吐きながら、あたしは低い声で呟いた。



「そんなこと分かってる。でも、行動に移さなきゃ始まらないだろ?」


「……うん。そうだよね」


< 217 / 328 >

この作品をシェア

pagetop