―Destiny―
「そっか……、会う気なしか。当然だよな」
放課後。
学校が終わると、あたしは【来来軒】の裏口に急いで行く。
奏汰はバイトが休みの日でも、【来来軒】の裏口であたしを待っていてくれた。
「それなら、家に直接出向くしかないな」
吸っていたタバコを、空になったコーヒーの缶のなかにねじ込みながら奏汰が言う。
「きっと、追い返されるよ」
諦めにも似た溜息を吐きながら、あたしは低い声で呟いた。
「そんなこと分かってる。でも、行動に移さなきゃ始まらないだろ?」
「……うん。そうだよね」