―Destiny―
お父さんも、お母さんと同じなんだ。
これから、奏汰との関係を終わらせるように説得するんだ。
お父さんにまで反対されたら……。
あたし、本当に行き場を失いそうだよ。
不気味なほどの静寂。
時計の秒針がやけに大きく聞こえるリビング。
そんななかで、あたしと奏汰は一言も言葉を交わさず、うつむいたままお父さんが来るのを待っていた。
「……待たせたな」
しばらくすると、お父さんが穏やかな表情をして戻ってきた。
「お母さんは?」