―Destiny―
詳しい事情を知らないまま、真菜に協力だけを求めるのはどうかと思って。
あたしは、柚羽ちゃんと永輝さんのこと。
それに関わったいろんな人たちのことを、すべて話した。
真菜は話を聞き終えたあと、ひどく冷静な態度で、
「昔のことなのにね」
たった一言、言葉を返しただけだった。
お父さんと同じように、真菜は見守るだけ。
「協力してほしいときは遠慮なく言って」と、にこりと笑ってくれた。
ホームルームで、冬休みの課題やら成績表やら受け取り。
校長先生と同じくらいに長い、担任の先生の話が終わり。
冬休み前の面倒な行事からようやく解放され、真菜と教室を出たとき……。
『一年A組の村岡柚。至急、生徒指導室まで』