―Destiny―

あたしは、今にも零れてしまいそうになる涙を精一杯こらえながら、先生に訴えるようにして言った。



「正直言うとね……。何とかして認めてもらおうって思ったり、あたしたちが別れたらそれで済むんだって思ったり……。気持ちが定まらなくなっているんだ」


「………」


「先生だったらどうする？」



そう問いかけると、先生はあたしのそばに置いてあったイスに腰を下ろして言った。



「村岡は奏汰くんを好きなんだろ？」



ストレートな問いかけに、あたしは躊躇せず、力強くこくりと頷いた。



「じゃあ何で、奏汰くんと別れることが選択肢にあるんだ？」