―Destiny―
「そんなにおいしいの?」
「うん! ラーメンもおいしいし、チャーハンもおいしかったよ」
「そう。なんていうラーメン屋だったけ……?」
「【来来軒!】」
あたしが興奮したように言うと、お母さんは「今度みんなで行こうね」と言って、再び夕食の準備を始めた。
もう平日の昼間に行けなくなったのは残念だけど。
今度の日曜は、おばちゃんもいるし。
そうだ、日曜はお父さんも休みだから家族みんなで食べに行こうかな。
「宿題してくるねっ」
槙村先生の寛大な嘘が妙に嬉しくて、あたしはスキップしながら自分の部屋に行った。