―Destiny―

「ほら、村岡。行くぞ」


「行くぞって……、どこに？」


「いいからついて来い」



指導室を急いで出た先生は、どこに行くのかさえも教えてくれなくて。

あたしはただ、先生を追いかけることしかできなかった。




学校を出た先生は、校舎裏にある駐車場に向かい、白のスポーツカーに颯爽と乗り込む。


初めて見る、先生の車。

結構かっこいい車に乗っているんだな。


そんな呑気なことを思いながら、あたしは助手席のドアを開け「お邪魔します」と断ってから乗り込んだ。

あたしが乗ったのを確認すると、車はすぐに動き始めた。



一体どこに行くつもりなんだろう。

行き先を考える暇もないくらい、車は学校を出てすぐ、あるところに止まった。