―Destiny―
すぐそばにいるのに、メール?
驚いて奏汰の方を見ると、奏汰はさっきと同じように携帯の画面をじっと見ていた。
【柚。メリークリスマス。
いろいろあるけど、俺には柚しかいないから。
きっといつか、お母さんも分かってくれる日が来ると思う。
頑張ろうな】
――奏汰……。
どうして、奏汰はそんなに強いの?
あたしは……。
選択肢に、奏汰と別れることを入れたんだよ?
頑張ろうって、何度も自分を勇気づけたけれど。
あたしは、自分を産んでくれたお母さんをこれ以上傷つけたくない。