―Destiny―
「――柚ちゃん、奏汰。着いたぞ」
奏汰にメールを返すことができなくて。
携帯を握りしめたまま俯いていたあたしは、大将の声で顔を上げる。
大将が運転していた車は、こじんまりとしたオシャレな古着屋さんの駐車場に停められていた。
――ここって、もしかして……。
古着屋さんの建物の構造を見て、大将と槙村先生の目的が何となく見えてきたような気がした。
その、独特な作り。
それは、コンビニでのバイト経験がないあたしでさえも、そこがかつてコンビニだったことが分かった。
「遼ちゃん、この店に何か用事でもあるのか?」