―Destiny―


「どこのラーメン屋?」


「学校の近くの【来来軒】っていうラーメン屋」


「あぁ、そういえばあったなぁ……」


「生徒指導の槙村先生がね、柚がクセにならないようにたまには連れて行ってあげてくださいって」


「へぇ」



お父さんのほんの少し驚いたような声。

それを聞いてあたしは、リビングのドアを勢いよく開けた。



「お父さん! 今度の日曜、みんなで【来来軒】行こう!」


「柚! おかえりなさい、は?」


「おかえりっ! ねっ? ねっ?」



必死になって頼むあたしを見て、お父さんはぷぷっと吹き出す。


< 26 / 328 >

この作品をシェア

pagetop