―Destiny―
「分かった分かった。今度の日曜、みんなで食べに行こう」
幼い子供をなだめるように、お父さんはあたしの頭を優しく撫でた。
――だけど……。
「……慎ちゃん。今度の日曜は……」
気まずそうに言ったお母さんの声を聞いて、あたしの頭を撫でるお父さんの手がぴたりと止まる。
「あ……、そうだったな……」
「……行けないの?」
さっきまで和んでいた場が、突然重苦しい空気に変わる。
お父さんとお母さん。
二人を交互に見るあたしの視線に気づいたお母さんが、静かな声で言った。