―Destiny―
「今度の日曜は、柚羽の二十回忌なのよ」
「……柚羽ちゃんの……」
お父さんとお母さんの寝室に飾っている、いくつかの写真。
その中に見つけた、一枚の写真。
その写真は、他の写真とは違ってきれいな写真たてに入れてあって。
一目で、他の写真とは違う、特別な思い入れがあるものなんだって分かった。
学生時代にバイトしていたコンビニの制服を着たお父さんとお母さん。
その間に、向日葵のように温かく明るい笑顔を見せている彼女。
お母さんの親友で今はもうこの世にいない、柚羽ちゃん――。
「じゃあ仕方ないね。また今度、一緒に行こう」
柚羽ちゃんの話になると、お父さんもお母さんも複雑な表情になる。
だからあたしは、明るく笑うんだ――。