―Destiny―


『ねぇ……。かんなさんのことを許してあげて』


「……なに……言ってるの? あの人さえいなければ、あんたと結崎さんは幸せになれたのよ?」


『生きていなくても、どんな場所であっても、あたしたちは幸せだから』


「……そんなの……おかしいよ」


『失ってから気づくことって、あるでしょう。かんなさんもそうだよ。自分の過ちに気づいて、ずっと苦しんできた』



それじゃ、私は……?

ある日突然、ずっと一緒だった親友の柚羽を失って。

本当なら、今も一緒にいるはずだったのに。



「無理だよ。許すことなんかできない」


< 307 / 328 >

この作品をシェア

pagetop