―Destiny―
『……今すぐ、かんなを許せとは言わない。どんなに時間がかかってもいい。だから……』
「……かなわないな、結崎さんには……」
『諒子……?』
元暴走族の総長。
その肩書きは、じゅうぶんに説得力がある。
親友の柚羽には反抗するくせに。
結崎さんが相手となると、私は反抗すらできなくなる。
結崎さんの説得に簡単に堕ちた私は、情けないあまり、思わず笑ってしまう。
「今すぐは無理だけど……。柚たちのことは認めるわ」
『……ありがとう』