―Destiny―


「お母さん……?」



呆然とするあたしに、お母さんはにこりと笑う。



「母親なら娘の幸せを願わないとね」



そう言って、お母さんは病室を出て行った。



「――お母さん……、どうして……」



閉められた病室のドアを見つめたまま、あたしは首を傾げる。


あれだけ猛反対していたのに……。

どうして、認める気になったんだろう。


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