―Destiny―


それから程なくして退院したあたしは、学校に復学したその日に槙村先生を訪ねた。



「心配したぞー」



笑って、あたしの頭をコツンと軽く小突く先生。



「……先生。柚羽ちゃんのお墓参り、行ったの?」


「あ? あぁ、行ったよ。おまえの事故の後だったから、願掛けもしてきたし」


「へぇー、いいとこあるじゃん、先生って!」



あたしが茶化すと、先生は「うるせー」と言いながら、自分のカバンの中を探る。



「ほら、これ」


「……なに?」


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