―Destiny―


「あっ、もしもし真菜?」



電話の相手は真菜。

日曜日は昼まで寝ているという真菜は、あたしからの電話で起きたらしく眠そうな声をしていた。



『なによぉ……、こんな朝早く』



十時という時間帯。

真菜にとって日曜のこの時間帯は、太陽がようやく昇り始める朝方と同じような感覚。



「ねっ、【来来軒】に行かない?」


『はぁぁぁ!?』



今日は食べに行くって、おばちゃんに約束したんだ。

それに、今日を逃してしまったら、今度はいつ行けるか分からないし。



『……ラーメン……?』



< 32 / 328 >

この作品をシェア

pagetop