―Destiny―
「あっ、もしもし真菜?」
電話の相手は真菜。
日曜日は昼まで寝ているという真菜は、あたしからの電話で起きたらしく眠そうな声をしていた。
『なによぉ……、こんな朝早く』
十時という時間帯。
真菜にとって日曜のこの時間帯は、太陽がようやく昇り始める朝方と同じような感覚。
「ねっ、【来来軒】に行かない?」
『はぁぁぁ!?』
今日は食べに行くって、おばちゃんに約束したんだ。
それに、今日を逃してしまったら、今度はいつ行けるか分からないし。
『……ラーメン……?』