―Destiny―
イイ男だと聞いて、あたしは座っていたカウンター席を飛び跳ねるようにして立ち、おじちゃんたちの座るテーブル席へと行く。
「一回だけな。年は…もうすぐ四十になるのかな」
「え……っ、四十!?」
イイ男・大将の年齢がもうすぐ四十になると知って、あたしは大袈裟にがっくりと肩を落とした。
てっきり若いのかと思ったのに……。
もうすぐ四十なんて、うちのお父さんと同じじゃないっ!
「ほら、柚ちゃん! チャーハンできたよ! 熱いうちに食べな!」
「はぁい」
肩を落としたままあたしはカウンター席に戻り、おばちゃんが作ってくれた熱々のチャーハンを食べ始めた。