―Destiny―
第二章
■ 恋のはじまり
「うわっ、柚ってばもう来てたのっ!?」
約束していた一時。
その十五分前に真菜がやって来た。
自分が一番乗りだろうと思っていた真菜は、ひどく驚いた顔をしている。
「早く行こう!」
「もう、たかがラーメンじゃない。そんなに急かさなくなって……」
真菜の言葉を最後まで聞かず、あたしは【来来軒】のドアを勢いよく開けた。
「いらっしゃ……、あー! 柚ちゃんじゃないか!」
できたてのチャーハンを運んでいる途中のおばちゃん。
あたしを見て嬉しそうな声をあげる。