―Destiny―
■ 『運命』
――結崎奏汰……。
年はあたしよりも三つうえの、大学一年生。
大学は、あたしの通う高校とそう離れていない、R大学。
休みの日には、ローンで買った車であてもないドライブをしている。
そのローン返済のために、親戚でもある大将の店でバイトをしている。
「なるほど……」
「まだ聞きたいことある?」
「うーん、とりあえず、今はないかな」
奏汰のことをもっと知りたい。
だけど、今日はこれだけで満足だ。
あとはこの情報を真菜に……。
そう思った瞬間、胸がちくりと痛む。