―Destiny―
「ななななに言ってんのよ、あんたっっ」
「なにって。柚、おまえは俺の彼女だろ?」
「彼女って、今日はじめて会ったばかりじゃない!!」
肩を抱かれたまま否定するあたし。
肩を抱く奏汰の手を振り払うことだってできるのに、身体が言うことを利かない。
あたしが動くたびに、ふわりと漂う奏汰の匂い。
なんの匂いだろう。香水かな。
奏汰に抗議しながらも、あたしの胸はずっとずっと、ドキドキしている。
「今日はじめて会ったばかりで……っ、しかも……っっ」
「これも運命ってヤツだよ」
イタズラ心を覗かせながら、運命だなんて言葉をさらりと言う奏汰。