―Destiny―


しかも、チャーハンを受け入れようとした口はぽかんと開いたままで……。


マヌケ面をさらしているあたしに嫌でも気付いたのだろう。

大将がちらりとこちらを見た。



「………?」



見た……けれど……。

大将は、まるであたしのことを知っているような顔をして、「あっ……」と小さく声を上げた。



「なんだい遼ちゃん、柚ちゃんのこと知ってるのかい?」



大将の態度を目の前で見ていたおばちゃんがすかさず聞いてくる。



「いや、昔の知り合いに似ていたから……」



そう静かに笑いながら言う大将。



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