―Destiny―
あたしが奏汰に対して、気持ちが変化していったように。
奏汰もまた、彼女に対して気持ちが変わっていっている。
照れながら話す奏汰。
微笑ましいような、苦しいような、複雑な気持ちだよ。
「あー……、なんか雨が降ってきそう」
ずっと晴れていたはずの空。
気づけば、どんよりとした雨雲が広がっていた。
やっぱり今の季節は梅雨なんだと、改めて思い知らされる。
「あたし、帰るね」
――違うんだ。
雨が降り出しそうだから帰るんじゃない。