―Destiny―
■ 放課後の幸福
その日、家に帰りついたのは夜の七時過ぎだった。
あれからあたしは、奏汰の告白にどう答えていいか分からなくて。
真菜のことがあったから……。
「好き」だという奏汰に対して、「うん」と頷くのが精一杯だったんだ。
奏汰は大人なのかな。
そんなあたしに、返事を急かすこともしなくて。
ただ、静かに笑いながらあたしを見ていた。
そんな落ち着いた奏汰を見て、あたしはますます奏汰のことを好きになってしまった。
『気が向いたら連絡して』
別れ際。
あたしと奏汰は、お互いの携帯の番号とメアドを交換した。