―Destiny―
「ただいまー」
「柚ー、おみやげ買ってきたわよー」
柚羽ちゃんの二十回忌に行っていたお父さんとお母さん。
あたしはこれまでお母さんに、自分の恋愛話をまるで友達感覚のようにしていたけれど……。
「私、少し休むわね。柚、今日はお弁当でごめんね」
弁当屋で買って来た、お父さんとあたしの分のお弁当。
渡しながらお母さんは申し訳ない顔をする。
「ううん、気にしないで。ゆっくり休んでね」
柚羽ちゃんのことになると、お母さんの瞳の奥はいつも悲しそう。