―Destiny―
娘の恋愛話に付き合う余裕なんてない。
きっと聞いてくれるかもしれない。
だけど、無理に笑うお母さんなんか見たくなかった。
少し時間を置いて、お母さんがいつもの元気を取り戻したら、奏汰とのことを話そう。
そう決めて、あたしは少し冷えたお弁当を電子レンジで温め直した。
――翌日。
学校の靴箱で、登校してきたあたしを待ち構えていたのは真菜だった。
「ねぇ、奏汰くん、どうだった?」
朝の挨拶もほどほどに、真菜は開口一番に奏汰のことを聞いてくる。
「……うん……」
奏汰の告白を、そしてあたしの奏汰に対する気持ちをどう言おう。