―Destiny―


「奏汰くん、彼女いるって?」


「………」


「柚ー?」



真菜はあたしの親友。

小学校からずっと一緒で、いつもあたしのそばにいた。


中学生の時にあたしが失恋して……。

家に泊まりにきて、朝方まで慰めてくれたこともあった。


そういえば……。

高校受験の忙しい最中に、真菜と同じ人を好きになったこともあったっけ。

その時は、ドロドロとした喧嘩にはならなくて。


『あんたには負けないから!』


あたしと真菜、笑いながら、その人を振り向かせようと必死になってたな。



< 79 / 328 >

この作品をシェア

pagetop