―Destiny―


結局。

相手に彼女がいたって知って、あたしたちはマックで泣きながらヤケ食いしたんだよね。



「……真菜、あたしね……」



そんな遠い昔の思い出をよみがえらせながら、真菜に切り出す。



「奏汰のこと、好きなんだ」



同じ人を好きになったとき。

真菜はあたしを憎むことなく受け入れてくれた。


どうか今回も。

そんな祈りを込めながら、真っ直ぐに言ったあたしを、真菜は無言で見つめる。



「――で、奏汰くんは?」


「……奏汰……も……」



< 80 / 328 >

この作品をシェア

pagetop