―Destiny―
「どうした?」
首にかけた真っ白なタオルで、額の汗を拭う奏汰。
にこりと笑うその表情に、胸がきゅっとしめつけられる。
「……あの……、昨日の返事……!!」
あたしは上目遣いで奏汰を見る。
「あぁ。そんなに急がなくてもいいのに」
緊張しているあたしの頭を、奏汰は子供をあやすような仕草でぽんぽんと撫でる。
こんなことされたら、余計に緊張しちゃうじゃない。
緊張しすぎて、あたし、泣きそうだよ。
「あたしっ、あああたしもっっ……」