―Destiny―


おばちゃんの物凄い剣幕に、あたしはイスから飛び上がり、大将の後ろに身を潜めた。

大将はそんなあたしを見て静かに笑う。

そして、あたしの頭をぽんぽんと軽く叩きながら言った。



「そろそろ午後の授業が始まるんじゃないのか?」


「あっ! そうだった! ……って、チャーハンまだ食べ終わってないし!」



あたしは急いでカウンターに戻って、立ったままチャーハンの残りを無理やり胃に押し込んだ。



「ごちそうさまでしたー! おばちゃん、お金ここに置いとくねっ」


「あいよっ。勉強頑張るんだよー」


「はぁい!」



あたしは口をモゴモゴさせながら、大急ぎで学校に戻った。




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