―Destiny―


「……うん」



お母さんの顔色をうかがうように、あたしは上目遣いで見ながら首を縦に振る。



「家に連れてきたら?」


「……えっ? 今から?」


「うん」



あっけらかんとしてお母さんは言うけれど……。


付き合い始めてやっと一ヶ月経ったばかりなのに。

いきなり親と御対面! なんて。

奏汰も嫌がるに決まっているよ。



「今日はとりあえず、外で会う!」


「えー、なんでよ。いいじゃない!」


「いつか連れて来るから! じゃあねっ」


< 96 / 328 >

この作品をシェア

pagetop