―Destiny―
引きとめようとするお母さんを、無理に振り払ってあたしは外に出た。
道路の街灯を道しるべに、奏汰が待っている公園へと走る。
「……いたぁ」
公園の前の道路。
奏汰の黒塗りの車が止められている。
見た目、ちょっと怖そうな車だけど。
このドアを開ければ、あたしの大好きな奏汰がいるんだ。
「奏汰!」
助手席のドアを開けて車に乗り込むと、あたしは運転席でタバコを吸っている奏汰に抱きつく。
ふわりと漂う奏汰の匂いに、あたしは相変わらず胸がキュッとしめつけられる。