不良君と私の恋愛物語
「手、大丈夫?これ。使って。」

濡れたタオルを差し出した聡クン。

「汚れちゃうよ…。」

「そんな事より、こっちのほうが大事でしょ。」

そう言って私の手を取り怪我した箇所にタオルを当てた。

痛くて顔を歪める。

「痛い?大丈夫?」

「うん…。」

下を向いたままの私を心配そうに見る聡クン。

その時。

「冴子ーっ!」

一樹が走って来てるのが見えた。

「一樹…?」

ベンチから立ったけど、足をひねってしまったらしくフラッと倒れそうになった。

「冴子っ。」

近寄ってきた一樹が支えた。



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