不良君と私の恋愛物語
「ご馳走さまでした!」

「いえいえ。満足したかな?」

「大満足だよっ!」

手をつなぎながらイルミネーションがキレイな道を歩く。

「もう少し歩いてもいい?」

「うん。いいよ。寒くない?」

「うん。大丈夫!」

このまま終わるなんてヤダから、最高の思い出にしたいから。

おっきなツリーの前で足を止める。

「キレイだね。」

「だな。」

ツリーを見つめる目は少し霞んでいる。

「一樹。」

「ん?」

「ありがとうね?」

「何が?」

不思議そうな顔をする。

「こうやってクリスマス過ごすの初めてなんだぁ。だから、ありがとって。」

「そっかー。じゃぁ、来年も一緒に来ような?」

「‥うん。」

一樹。

来年は無いんだよ。

今年で終わりなんだよ‥‥‥。


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