不良君と私の恋愛物語
一樹の表情が変わったのが分かった。

「なんで‥‥。」

壁にもたれてうなだれてる。


「私、やっぱり一人が合ってるみたいなの‥。好きになろうと思ってたんだけど、そんなに好きになれなかったみたい‥。私の気持ちなんて、結局誰にも分からないんだよね。」

それだけ言うとドアノブに手をかけた。

「待てよ‥。お前‥。それホントに本心なのか‥?」

消えてしまいそうな声で問いかけてきた。

「そうだよ。本心。今まで気づかなかった?」

振り向く事なく私は答えた。




ごめんね‥‥。




「今までありがとう。財布、捨てて良いよ。」





それだけ言うと私は一樹の家を出た。


扉を閉めたとたんに涙が溢れ出してきた。


これで良いんだ‥。

一樹の為なんだよ‥。

ごめんね‥。




一樹‥。





ごめんね‥。



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